混合三部合唱組曲「阿賀野川」とは

混声三部合唱組曲「阿賀野川」作詞:山本和夫 作曲:岩河三郎

1.阿賀の里[6:15]
2.ふるさとの将軍杉[4:00]
3.羽越大災害[5:50]
4.悲歌[5:25]
5.光にむかって[5:45]
[   ]内は演奏時間 全曲約28分

誕生まで

(旧)三川村(平成17年阿賀町へ)では、地域に根ざした音楽文化の向上を狙いとして、ふるさとをテーマとした合唱曲を作りたいと考えた。
きっかけは平成元年、三川中学校音楽教諭として赴任した岩崎正法先生。
岩崎先生は着任して間もなく、生徒会誌第1号(昭和43年発行)に掲載されていたある一文を目にする。
そこには『思い出したくない』と題して、羽越大災害に遭遇した生徒の不安や悲しさが記されていた。
「村に爪跡を残した災害を題材に、自然豊な三川村を音楽で表現できないか」との思いが岩崎先生の胸を過ぎり、大竹敏夫校長先生(当時)に「三川村で組曲を作ってはどうか」と相談。
村の教育懇談会などで検討され承諾された。
そして平成2年11月に企画。作詞を山本和夫氏、作曲を岩河三郎氏に委嘱。
平成3年、5つの小曲からなる合唱組曲「阿賀野川」が誕生した。

(阿賀町立三川中学校ホームページより引用)

作曲者より(楽譜出版にあたって)

この曲は、昭和42年8月29日に三川村を襲った「羽越大災害」をテーマにしたドキュメンタリーというべき阿賀野川讃歌で、
1991年8月29日、奇しくも祥月命日に三川中学校の生徒によって初演されました。
山本和夫先生の格調高い詩については、今回も大きな感動をもって作曲することが出来て、本当にうれしく思っております。
第1曲「阿賀の里」では、美しい阿賀野川流域の村人たちの、母なる川への祈りを込めた賛美であり、第2曲「ふるさとの将軍杉」は少年たちの憧れのシンボルとしての大木に向かって草笛を吹き鳴らす、素朴で平和なひとときが楽しいタッチで表現されます。
そして第3曲に「羽越大災害」として、ドラマチックにドキュメンタリーが展開されます。
第4曲は、大災害の後の悲歌(エレジー)です。
しかし、第5曲「光にむかって」を高らかに歌うことによって、人生の永遠の幸せを実感するのだと思います。
美しい自然も、ある時には大悲劇をもたらすことは人生共通のテーマです。
大いなる共感をもって歌っていただければ幸せです。…(略)

1992年5月 岩河三郎

歌い継ぐ会

平成3年8月29日新潟市音楽文化会館にて、合唱組曲「阿賀野川」の記念すべき第1回目の発表演奏会が行われた。
(指揮:岩崎正法、ピアノ:畑野かん奈、合唱:三川中学校2、3年生)
当時の生徒はこの初演に向け、合宿授業を行ったり、岩河三郎氏による特別レッスンを受けたりと、まさに血の滲むような努力を重ねてきた。
初演当日はその練習の成果を見事に発揮し、来場者の心に大きな感動を与えた。
以後、三川中学校ではこのすばらしい合唱曲を歌い継ぐために、毎年全校生徒による「阿賀野川」の発表会を行っている。
今日では、県内外を問わず多くの学校・合唱団によっても広く歌われてる。

(阿賀町立三川中学校ホームページより引用)

20年間のあゆみ

平成2年11月
羽越水害で多大な損害を受けた三川村の復興の様子と、未来に向かって伸びゆく村民の発展を、
阿賀野川の自然豊かな流れと共に合唱組曲で表現することを企画。

平成2年12月
村議会で承認され、予算化される。同時に合唱組曲制作連絡会事務局が三川村教育委員会に設置される。

平成3年1月
合唱組曲の作詞を東京在住の福井県立若狭民族資料館長である山本和夫氏に、
作曲を日本童謡協会理事の岩河三郎氏に委嘱し、1月10日来村される。
同時に当時の被災状況を取材され、合唱を担当する三川中学校の生徒の様子も参観される。
また、初演を平成3年8月29日、新潟市音楽文化会館で実施することに決定する。

平成3年2月
日本の合唱指導で定評のある国立音楽大学教授で杉並混声合唱団指揮者、
小林光雄氏が来校され、2日間にわたって生徒の合唱を指導される。

平成3年3月
山本和夫氏より組詩「阿賀野川」を受領する。

平成3年4月
岩河三郎氏より合唱組曲「阿賀野川」の第1曲「阿賀の里」を受領し、生徒の本格的練習がスタートする。
同時に初演前日の8月28日に全国の先生方を対象とした、公開レッスンの実施を企画。
また、8月7日、全国集団学習研究大会で、合唱組曲の中間発表をすることを決定する。
4月26日・27日に第1回目の岩河三郎氏によるレッスンを受ける。

平成3年5月
第3曲目「羽越大災害」、第5曲目「光にむかって」を受領する。
5月24日・25日に第2回目の岩河三郎氏によるレッスンを受ける。

平成3年6月 第2曲目の「ふるさとの将軍杉」を受領する。
6月28日・29日に第3回目の岩河三郎氏によるレッスンを受ける。
公開レッスンのチラシ、初演のチラシが完成する。

平成3年7月
7月27日・28日に岩河三郎氏による第4回目のレッスン(1日目)。
19:00より、みかわ会館において、PTAおよび、村民を対象にした岩河三郎氏による講演会を行う。
岩河三郎氏による第4回目のレッスン(2日目)。第4曲目「悲歌」を受領する。

平成3年8月
8月7日、新潟市公会堂において第18回全国集団学習研究大会での合唱組曲中間発表を行う。
8月22日~24日に岩河三郎氏による直前の合宿練習(みかわ会館)。
8月28日、合唱組曲「阿賀野川」公開レッスン。
8月29日、14:00より合唱組曲「阿賀野川」発表演奏会。

平成4年
三川村混声合唱団結成。
第1回「組曲阿賀野川演奏会と小・中学生による音楽の集い」及び「羽越水害25周年記念」作曲者岩河三郎氏指揮、
県警察音楽隊、三川村消防音楽隊伴奏の吹奏楽版初演。
NHK合唱コンクールに「ふるさとの将軍杉」で出演。

平成5年
吹奏楽部地区大会で「光にむかって」を生徒初演奏。
第2回「組曲阿賀野川演奏会と小・中学生による音楽の集い」で初めて生徒のピアノ伴奏、吹奏楽部の伴奏を行う。
また村内の小・中学生や村民誰もが口ずさめるよう「ふるさとの将軍杉」を全員合唱する。
少年の主張大会で演奏したものがBSNで放送。

平成6年
第3回「組曲阿賀野川演奏会と小・中学生による音楽の集い」。
アメリカウォーレン郡中学生交歓会にて組曲を披露。
全日本合唱コンクールに「阿賀の里」で出演。
福井県武生市合唱団が来村し、村の合唱団と友情合唱。

平成7年
第4回「合唱組曲・阿賀野川を歌いつぐ会」に改名され、本部を三川村教育研究協議会に組織化する。
奥阿賀地域振興協議会主催の「ボニージャックスふれあいコンサート」で組曲を披露。

平成8年
平成8年「合唱組曲・阿賀野川を歌いつぐ会」及び村行事で演奏。
5周年記念CDを製作。
三川中学校創立30周年記念式典で合唱組曲「阿賀野川」を発表。
また、合唱組曲「阿賀野川」発祥の地の記念碑を建立。

平成9年
平成9年「合唱組曲・阿賀野川を歌いつぐ会」で演奏。
県企画の国際交流事業で来村した、ロシア・イルクーツク州青年民族舞踊団「シベリアの泉」と「三川村混声合唱団」が交流し組曲を披露。
米国マクミンビル市中学生国際交流歓迎セレモニーにて、「ふるさとの将軍杉」を披露。

平成10年
「三川村混声合唱団」を発展的に再編「阿賀野川混声合唱団」として発足。
「里の秋ふれあいコンサート東蒲のつどい」に東蒲各町村の合唱団と共に「阿賀野川」を発表。
平成10年「合唱組曲・阿賀野川を歌いつぐ会」で演奏。

平成11年
平成11年「合唱組曲・阿賀野川を歌いつぐ会」並びに「敬老会」「奥阿賀音楽彩」で演奏。
他市町村で開催する各種発表会で積極的に発表。
米国マクミンビル市中学生国際交流歓迎セレモニーにて、「ふるさとの将軍杉」を披露。

平成12年
平成12年「合唱組曲・阿賀野川を歌いつぐ会」並びに「敬老会」等村主催の行事等で発表。
村上市の主催する「阿賀野川混声合唱団&村上ふれあい合唱団コンサート」で「阿賀野川」を発表。
米国南イリノイ州視察団来校の歓迎セレモニーにて、「ふるさとの将軍杉」を披露。
東蒲原郡中学校音楽発表会にて「阿賀の里」、「悲歌」を発表。

平成13年
10月7日「阿賀野川混声合唱団」10周年記念コンサートで組曲を演奏。

以後、毎年「合唱組曲・阿賀野川を歌いつぐ会」は開催され、村内外を問わず広く歌われてきた。
そして…。

平成23年
10月22日、記念すべき20回目の「合唱組曲・阿賀野川を歌いつぐ会」が阿賀町文化福祉会館で開催。

阿賀野側2012/7/11発売
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